【第2弾】日産リーフe+ 超高速充電は本当に超高速なのか 〜超高速充電するための条件を再検証する〜

電気自動車

先日ブログに投稿した「超高速充電は本当に超高速なのか」
前回のレポートでは超高速にならないという結論でしたが、「本当に超高速にはならないのか?」と思っておられる方も多いかと思います。

超速充電器は、条件によってはその性能を十分に引き出すことができますが、条件を誤ると超高速で充電することはできません

超高速充電できる条件とは?
電池の残容量が少ない状態であること。(できれば20%を下回った状態から充電開始)

効率的に充電するためにも、今回は超高速充電するための方法をレポートをします。
リーフをご検討中の方、これから超高速充電を試される方の参考になれば幸いです。

なぜ時電池残容量が少ない時に超高速充電になるのか。

■電池の特性
リーフに搭載されているリチウム電池には、充電が満充電に近づくにつれて受け入れ可能な電力が少なくなるという特性があります。

逆にいうと、残容量が少ない時ほど受け入れることができる電力が大きくなります。

■リーフ側のバッテリー制御
上記の通り、リチウム電池には受け入れることができる電力の量が決まっています。
無理に電力を加えると電池の寿命を短くする恐れがあります。
そのためリーフには制御回路が搭載されています。
充電時にははバッテリーの残容量や温度を監視しながら最適な充電出力になる様に制御を行っています。

では実際に超高速充電を行なった時のデータをみてみましょう。

充電の検証

充電の条件は以下の通りです。

■充電場所
京都日産自動車 十条店
■充電器
新電元 SDQC2F90UT4415-M
■充電開始時のバッテリー残量
20%
■気温
10℃

では、さっそく充電を始めましょう。
充電器の最高出力は、90kwです。
家庭用ドライヤー1つが1000Wとすると、その90倍もの電力を供給するのですからそのすごさが分かっていただけるかと思います。


ですが、リーフの受け入れ可能電力は車の仕様上70kw程度に制限されてしまいます。
いくら充電器の出力が 90kwでも、リーフ側で制限をかけてしまうわけです。

通常の高速充電器は出力が50kwhもしくは40kwhですので、それでも1.4〜1.8倍ほどの出力となります。

LEAF SPYのデータを検証

充電開始時は73kwの出力が出ています。
さすが超高速充電器といったところです。

充電開始から次第に充電電力は下がり始め、バッテリー残容量が60%を超えると通常の高速充電器と同程度の出力になります。

 

充電結果

開始時 20% ⇨ 終了時 67% (+47%の増加)

■充電できた量
29kwh(203km相当:7km/kwh で計算)

以前検証した50kw充電器では21.7kwhだったので、それと比較すると7.3kwも余分に充電できていることになります。
この結果から、超高速充電のメリットは十分にあると言って良いでしょう。

航続距離に換算すると50km以上も余分に充電できていることになります。ただし、グラフを見ればわかるように、充電容量が60%を超えると充電電力は50kwを下回ってきます。
このことから、超高速充電器の威力を発揮するにはバッテリー容量が20%を下回った状態から充電を開始するのが好ましく、
50%を超えた状態から超高速充電を開始してもそのメリットは十分に受けられないと言えます。

まとめ

超高速充電の効果が発揮されるのはバッテリー残量が少ない時から充電開始したとき。
バッテリー残量が多い時は超高速充電にはならない。

補足ですが、夏場になるとバッテリー温度の上昇による「熱だれ問題」が発生してきます。
「熱だれ」とは、バッテリーの温度上昇により充電電力に制限がかかってしまうことを言います。

気温の低い時期はバッテリー温度が上昇することはなく、「熱だれ問題」は発生しにくくなるのですが、気温が高くなるとこの問題はリーフにとって深刻な問題となってきます。
この問題については暖かい時期になった時にレポートしたいと思います。

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